2020-09-27 / 最終更新日時 : 2023-12-18 tarukichi_62 読書 【小説】『私にふさわしいホテル(柚木麻子著)』を読んだ感想――小説家の執念をコミック調に描いた作品。 「著者自身をモデルにした作品だ」。「主人公のセリフはそのまま著者の心の声だ」。 小説家を主人公に据えた以上、読者にそう捉えられる覚悟をもって、著者はこの作品を書いたに違いない。 この1点からだけでも著者の気迫が伝わる。 […]
2020-08-31 / 最終更新日時 : 2023-12-18 tarukichi_62 読書 【小説】『あまからカルテット(柚木麻子著)』を読んだ感想――少女コミックのような女4人の友情物語。 人工甘味料の甘さや着色料の鮮やかな色に誘われて、食べるのをやめられない菓子のような小説。 別に批判ではない。そういう菓子が食べたいときもある。自然派の素朴な菓子や一流パティシエが作る凝った菓子だけじゃ、世界はつまんない […]
2020-07-04 / 最終更新日時 : 2023-12-18 tarukichi_62 読書 【小説】『ライオンのおやつ(小川糸著)』を読んだ感想――人生はおやつみたいにただおいしく味わうものよ。 若年性の末期がんに冒された女性が、瀬戸内に浮かぶ小島のホスピスで、最期の日々を生きる物語。 この作家は舞台設定が秀逸だ。 「柑橘系の果実の栽培が盛んな〈レモン島〉」とあるだけで、陰鬱なテーマを吹き飛ばすような爽快さを […]
2020-07-01 / 最終更新日時 : 2023-12-18 tarukichi_62 読書 【読書】『むかしむかしあるところに、死体がありました。(青柳碧人著)』を読んだ感想――超常現象に推理は通用するか。 謎解きにファンタジーの要素を加えた点が斬新だ。 ファンタジーとは言っても、それは「新たなルールの追加」を意味するに過ぎず、論理や因果律といった体系を超越するわけではない。むしろそれらは、本格推理小説と同じように、非常 […]
2014-04-07 / 最終更新日時 : 2023-12-18 tarukichi_62 読書 【読書】『一の悲劇』法月綸太郎著 どこかで良質の本格推理小説として紹介されていたので手に取った。著者の作品を読むのは、これが初。 ミステリ作家らしい実に読みやすい端的な文体で、ブンガク的な過度の修辞に飽き飽きした時は、やはりミステリを読むに限る。ロジ […]