【ビアードパパ】「焼き芋シュー」で老化を感じる中年独身男。

ビアードパパの店頭に「焼き芋シュー」の大きな広告が出ていた。
見た目も味も、焼き芋そっくりの、10月限定のシュークリームとのこと。
いやーん、これ絶対食べなきゃいけないやつじゃーん。
秋だし芋だし期間限定だしー。見た目かわいいしー。
と、僕の中のJKギャルが強烈に主張した。
ので、購入した。
家に帰って、さっそく食う。
シュー皮は、さつまいもの形に焼成され、その上に謎の紫色の粉がふりかけられていた。
謎の紫色の粉だけを舐めてみたが、無味無臭だった。外見を整えるための、ただの飾りだったらしい。
中には、スイートポテトをカスタードと合わせたようなクリームが、たっぷりと詰まっていた。
これは、うまかった。
基本的にさつまいもはうまく、それに生クリームやバターを加えたスイートポテトもうまく、さらに、それにビアードパパのカスタードが混ぜ合わされたクリームなのだから、うまくないはずがないのだった。
初めて食ったけど、この商品めっちゃうまいやん、ビアードパパの中でも当たりやな。
などと思いながら、食っていたのだが、ふと「初めて?」という疑問がかすめた。
食い終わった後、念のため、iPhoneのカメラロールを漁ったところ、2022年10月に思いっきり「焼き芋シュー」の写真があった。
(↓ そういや、去年ぐらいまではパッケージも期間限定の専用のものがあった。経費削減か知らないが、最近は期間限定品もパッケージは通常のものと同じだ。)

驚愕した。
食ってるやん!
初めてちゃうやん!
去年もまったく同じ商品食ってるやん!
去年食ったことも忘れて、「初めて食べる新商品ウマー。」などと思っていた自分に驚愕した。
完全に、老化による記憶力の低下である。
三十路半ばっしょー?
おっさんじゃーん。
そんなことも覚えてられないなんて、やっぱ歳だねー。
うけるーwww
と、僕の中のJKギャルが、僕を嘲った。
仕方ない。
人間はみな、老いるものだ。
記憶力の低下も受け入れなければならない。
問題は、「うまいものがごまんと溢れる現代社会で、僕の胃袋の容量と寿命には限りがある」ということだ。
いくらうまいものでも、一度食えば十分という商品も多い。今回の「焼き芋シュー」も然り。それを二度食うくらいならば、他の食ったことのない新たな「さつまいもスイーツ」を食うべきだったのだ。
もったいないことをした。
経済面でも精神面でも極めて貧しい、どケチの僕は今、非常にくやしい思いをしている。
解決法は簡単である。
「食ったものの記録」だ。
そもそも、去年も今年も「焼き芋シュー」の写真をわざわざ撮影してスマホに保存していたのは、そのためだ。
なにを食ったかを、自分の脳以外の外部記憶装置に保存しておくためだ。
問題は、その記録が体系的に整理されていなかったことにある。
その解決法も至極単純で、このブログを活用すればいいのだ。
タグに「さつまいも」とか「ビアードパパ」などと設定しておけば、検索も容易である。
限られた人生、常に新たなものを摂取していきたいものだ。
枯葉が舞い落ちる秋の夜、孤独な中年男は物思いに耽るのだった。
(追記)
数日後、ビアードパパの前を通りかかったら、「ベイクドスイートポテトシュー」なる商品が売っていた。

今回は、絶対に食べたことがない。初めて食べる商品だ。
記憶力の低下に悩んでいたが、確信をもってそう断言できた。
今年だけの特別商品の可能性もある。
「焼き芋シュー」を食ってから1週間も経っていないが、すぐさま購入した。
「ほくほく」と「濃厚しっとり」の2つのクリームが使用されているとのこと。
「ほくほく」の方は、さつまいもをそのままマッシュしただけのような素朴な味。甘味料や乳製品、卵などの存在感が一切ない。さつまいもの皮が入っていたりして、素材そのままの味を感じられる。
一方、「濃厚しっとり」は、「焼き芋シュー」に使われていたクリームと類似している。スイートポテトをカスタードでのばしたような、甘いクリームだ。
スイーツとして食べるならば、やはり後者の「濃厚しっとり」のほうがシュークリームには合っている。
「ほくほく」の方は、単体では、期待値を超えるものではなかった。
しかし、シューの底面にキャラメリゼされた砂糖が付けられており、これが甘味控えめの「ほくほく」と相性がよかった。
糖度の高いさつまいもを焼き芋にすると、蜜が皮の裂け目から滲み出し、高熱で飴状になるという。それを再現したのだろうか。

全体として食べると、うまかった。

