【花見2024】造幣局「桜の通り抜け」で妥協する。
もちろん遠出したかった。これまで訪れたことのない景勝地で、満開の桜を見たかった。
しかし、僕には余裕がなかった。
妥協した。
もっとも至便な近場のスポットに行ってしまった。
造幣局の「桜の通り抜け」である。
過去に数回訪れており、別にその場所である必要性はまったくなかった。
季節行事である「花見」をなにがなんでも実行に移す手段として、その場所がもっとも便利だっただけの話だ。
行楽に出かける余裕をなんとか捻りだし、造幣局を訪れたが、残念無念、見頃には早かった。早すぎた。
造幣局の桜は遅咲きの品種が多いのか、ほとんど咲いていなかった。
近くに寄って観察すると、枝の先にぽつぽつ蕾が付いている程度だった。
もちろん、数百本ある桜のうち、何本かの品種は満開だった。
きれいだった。
数少ない満開の木のまわりには、人々がたむろしていた。
コロナ禍も収束し、人々の賑わいがほぼ完全に戻ってきていた。
桜よりも人を見に来たという、コロナ禍前と同じ感慨を抱いた。
開花予測などに使われる桜の標準木は、「ソメイヨシノ」と決められているらしい。その日、大阪の桜の開花情報は「満開」だった。
そしてソメイヨシノは、造幣局の中ではなく、近くの大川沿いに多く植えられていた。
つまり、花見としては、造幣局の中ではなく、この大川沿いの方が見ごたえがあった。
また、大川沿いには多くの屋台が出ていた。
たこ焼きを食った。
造幣局の中をウォークスルーするだけで今年の花見は終了の予定だった(造幣局内は飲食禁止)が、予想外に、屋台の食いものを食いながら花見ができて満足度が上がった。
人混みの中での「ぼっち花見」は、疎外感が高まるだけなので避けており、それもあってウォークスルー形式の造幣局を選択したのだが、意外にも、周囲のホモ・サピエンスはあまり気にならなかった。
普通に、桜はきれいで、たこ焼きはうまかった。