【日常】暴風雨が過ぎ去った後の河川敷は、レア生物との遭遇率が高い気がする。 ※ドブネズミ画像あり。苦手な方は注意。

 コロナに伴う外出自粛要請がなくとも、窓の外は暴風雨が吹き荒れており、僕は狭苦しい自宅に引きこもるしかなかった。(警報が出ているときは河川敷に様子を見に行ったりしたらダメらしい。)
 次の日、雨が止んだので、いつも通り近所の河川敷へ散歩に出かけた。

 暴風や豪雨の後の河川敷は、いつもと様相が違っている。

 川岸にペットボトルやカップラーメン容器などのゴミが押し寄せ、ススキなどの草はなぎ倒され、ジョギングコースには大きな水たまりができ、流木が芝生の上に転がっていたりする。
 空では灰色の雲が足早に流れていき、風も強く、夏だというのにひんやり涼しい。
 そして、人がそれほどいない。

 いつもは我がもの顔で闊歩しているホモ・サピエンスが少ないからか、暴風雨が過ぎ去った後の河川敷では、いつもは見られない生物がチラホラ姿を現す。
 激流に飲み込まれないよう陸地に避難してきた多種多様な水鳥。カモが列をなしてジョギングコースを歩いているし、黒いカワウと白サギがオセロのように川岸の領地を取り合っている。カメも芝生の上をのそのそ歩いている。この前は、想像以上のスピードで移動するヘビも見かけた。

 それらを狙う捕食者たちの姿も多く見かける。はるか上空を旋回する猛禽類や、野生化した猫などだ。
 河川敷を散歩していると、彼らの食事の痕跡を見つけることもしばしばだ。
 カメの甲羅が空っぽで転がっている。
 頭部と羽と骨だけを残したハトの死骸がある。胴体の部分だけがきれいに骨になっている。捕食者たちの食べ方があまりにきれいで感心するほどだ。頭部は手つかずなので、獲物となったハトの恐怖に見開かれた目と視線が交わることもある。

 僕は散歩中にしばしばiPhoneで写真を撮る。
 晴れた日は、青空や河川敷の動植物なんかが被写体だ。
 一方、雨や曇りの日は、河川敷に転がったゴミ(片方だけの幼児の靴、野球ボールなど)や上記の死骸なんかが被写体だ。死骸の写真は撮るには撮るものの、iPhoneの中にずっとあると犠牲者たちに呪われそうで怖くなって数日後に消す。

 雨の日に生きた動物の写真を撮ることは稀なのだが、しかし今日、非常に珍しい動物に遭遇したので、つい写真を撮ってしまった。
 コレだ。

 ”コレ”が何なのかは正確には分からない。
 ヌートリア? カワウソ? 遠目ではそう見えた。
 わーかわいー、と思って、近寄って、僕は落胆した。
 正確なところは不明だが、たぶん、コレ、ドブネズミだ。

 名前が悪い。
 ホモ・サピエンスが作り出した言葉(概念)に強く規定されている僕は、”ソレ”が「ドブネズミ」だと認識した瞬間に、嫌悪感を覚えた。
 ソレがもっとかわいい名前で、他のホモ・サピエンスからも可愛がられていたならば、僕もソレを「かわいー」と思ったかもしれない。
 しかし、”ソレ”は「ドブネズミ」だった。

 ドブ、というくらいなのだから彼も水辺の生物で、河川敷で草を食んでいても少しも不思議ではないのだ。
 近寄ったら、僕を見上げ、しばしフリーズした後、弾かれたように走り出して茂みへと消えた。
 この河川敷でドブネズミを見たのは、今日が初めてだった。

※暴風雨が収まっても、しばらくは川が氾濫する危険等があるかもしれません。河川敷の散歩は、状況を慎重に見極め、自己責任で行ってください。
 安全が確保された上ならば、いつもと違った散歩が楽しめるかもしれません。


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