独身男が「うなぎ」食って精力つけた。ついでに「ゴーヤ」も。【旬の魚】【旬の野菜】

せめて食物で「夏」を感じようぜという、ささやかなプライベート企画は鋭意進行中で、次は「うなぎ」を食おうと思った。
日本の夏には「土用の丑の日」という謎イベントがあるらしい。
由来についてはイマイチ分からないのだが、とりあえず、精のつくものを食べて子孫繁栄に励もうという古来からある変態的なイベントらしい。
しかし、孤独な負け組男が精をつけても、それを発揮する機会はない。
しかも「うなぎ」は、安価な中国産でさえ軽く1,000円を超えてきやがる。
よって、「うなぎ」など食う必要はない――というのがスマートな論理的帰結だ。
ところが、身体が「うなぎ」を求めていた。
安価な中国産でぜんっぜん構わないから、あの魚の身と脂を摂取したい、と強く思った。
理性に従うよりも、本能に従ったほうが、生存戦略的に有利だ、と僕は信じている。
ので、買ってきた。
もし余分な精力が溜ったならば、自分で処理すればいいだけの話だ。
「うなぎ」を買うときに、あ、夏といえばこの野菜も外せないよなと思ったので、「ゴーヤ」も買ってきた。「なめこ」を買ってきたのは、単純に安かったからだ。

調理開始。
と言っても、「うなぎ」は電子レンジで温めて、炊きたての白米の上にのせるだけ。
「ゴーヤ」は縦に真っ二つにし、種を取り除き、薄切りにして、卵と一緒に炒めた(肉類はなし)。
「なめこ」は、みそ汁の具材とした。
完成。

「うなぎ」は半分に切ったのだが、それでもこの迫力。
自然と唾が湧いた。
実食。
やだ~中国産なのに、めちゃくちゃ柔らかいんですけど~。
うなぎちゃん、ポテンシャル高すぎ~。
どんだけ~。
食感も上質だったのだが、「うなぎ」の脂とタレ、そして白米の、三位一体の威力がすさまじかった。
やめられない、とまらない。
副菜に手を付けることなく、1杯目は一瞬でかっ込んでしまった。

2杯目は、すこし落ち着いて、他のおかずと交互に食べた。
ゴーヤチャンプルーだが、シンプルに塩と胡椒だけで味付けしたので、「ゴーヤ」の苦さをしっかりと味わうことができた。
「ゴーヤ」独特の苦み(エグみ)を敬遠するひともいるようだが、僕はむしろこの苦みこそを味わいたいので、あえて水にさらしたりなどしない。
苦い! うまい! そして、栄養豊富!
以上、やはり「種の繁栄」や「健康増進」という生物学的に有利になる食材は「うまい」と感じるように我々は進化してきたのだ、ということが分かった食事だったのである。