【読書企画】芥川賞受賞作を読破する!(平成篇)

 ※この記事は企画の進捗状況を記録するページです。
  初見の方以外は「前置き」は飛ばして下さい。
 (目次の『「芥川賞受賞作(平成以降)を読破する!」企画の進捗状況』をクリック。)

(前置き)なぜ芥川賞を読破しようと思ったのか。

 「孤独な男の暇つぶしランキング」で上位に食い込む趣味と言えば、そう、「読書」だ。
 もちろん僕も、一般的な孤独男性と同じ程度には読書を嗜んでいるつもりだ。

 しかしながら、偏食傾向が強い。好きになった作家を集中的に、その作家ばかり読んでしまう。
 一冊一冊が面白いからこそ、そのような行為に及んでしまうわけだが、とは言え、同じ人間が書いている以上、そこには自ずから表現の限界がある。得られる感慨も、結局は似通ったものになっているのかもしれない。
 経済学の基本概念に「限界効用逓減の法則」というものがある。詳しくはググって頂ければいいのだが、要は、同じものを大量に消費してもそこから得られる快楽は等倍には増えていかないという法則だ。同じケーキを10個食べたとき、10個目に食べたケーキの美味しさは常に1個目に食べたケーキの美味しさを下回る。同じケーキを何個も食べていく度に、それぞれのケーキから僕が感じる美味しさは徐々に少なくなっていく。

 勿体なくね?

 と思った。


 自分の嗜好に適った少数精鋭に深入りするのも結構だが、本の世界は広い。遠大だ。
 もっと視野を広げて、色んな味をつまみ食いすべきではないかと思った。
 「狭く深く」と同等に「広く浅く」も重要だ。

 僕がまだ知らないだけで、面白い本はこの世に沢山あるだろう。

 モタモタしてたらそれを読む前に死んでしまう。

 勿体なくね?
 どう考えても、MOTTAINAI。


 ここまで考えて、さて、何を読もうかな、と思った。

 前述したように本の世界は広い。総務省統計局のデータによれば平成30年には年間71,661点もの新刊書籍が出版されたらしい。
 手当たり次第に「面白い本ガチャ」を実行したとて、「アタリ」を引く可能性は極めて低い。

 そこで、玉石混交の書籍の中から効率よく良書を選定するために、さしあたって「賞レース」を利用することにした。
 書籍の各分野には、各界の権威や出版関係者が選者を務める「賞」が設けられていることがほとんどだ。
 斯界の専門家たちが推薦する書籍なのだから、良書である可能性が高い。
 「僕にとっての良書」とは必ずしも限らないだろうが、無限定に本を選ぶのと、「一般的な良書」の中から本を選ぶのと、どちらが効率的かと問われれば断然後者だろう。

 出版界には様々な賞があるが、とりあえずまずは「フィクション」「国内」「純文学」の賞レースである「芥川賞」を取り上げようと思った。そのジャンルが一番好きだからだ。

 とは言え、芥川賞創設時からの全作品を読破するのは流石に難しいし、新たな受賞作が次々と増えていくわけだから、とりあえず平成(1989年~2018年)の作品を対象としたい。(僕もほぼ平成しか生きていないわけだし。)

 それでは、下記に受賞作リストを掲載し、順次、読書状況を更新していきたいと思う。
 また、読んだ本に関しては基本的にこのブログで感想を書きたい(と思ってはいる)。



「芥川賞受賞作(平成)を読破する!」企画の進捗状況

企画開始日:2020年10月03日
最終更新日:2021年05月04日

芥川賞受賞作作品数(平成):69点
既読作品数:42点

読破率:60.9%
ブログに感想を書いた数:3点

※下記のリストは随時更新されていく。上記の最終更新日をご確認ください。

  • 既に読んだ作品に関しては、項目の後に「☆既読」の文字が入る。
  • このブログで感想を書いた作品に関しては、項目の後に「★感想記事あり」の文字が入る。

(1)102回(1989年下半期)/大岡玲『表層生活』☆既読
(2)102回(1989年下半期)/瀧澤美恵子『ネコババのいる町で』
(3)103回(1990年上半期)/辻原登『村の名前』
(4)104回(1990年下半期)/小川洋子『妊娠カレンダー』☆既読
(5)105回(1991年上半期)/辺見庸『自動起床装置』☆既読 ★感想記事あり
(6)105回(1991年上半期)/荻野アンナ『背負い水』
(7)106回(1991年下半期)/松村栄子『至高聖所アバトーン』
(8)107回(1992年上半期)/藤原智美『運転士』
(9)108回(1992年下半期)/多和田葉子『犬婿入り』☆既読
(10)109回(1993年上半期)/吉目木晴彦『寂寥郊野』
(11)110回(1993年下半期)/奥泉光『石の来歴』
(12)111回(1994年上半期)/室井光広『おどるでく』
(13)111回(1994年上半期)/笙野頼子『タイムスリップ・コンビナート』☆既読
(14)113回(1995年上半期)/保坂和志『この人の閾』
(15)114回(1995年下半期)/又吉栄喜『豚の報い』☆既読
(16)115回(1996年上半期)/川上弘美『蛇を踏む』☆既読
(17)116回(1996年下半期)/辻仁成『海峡の光』
(18)116回(1996年下半期)/柳美里『家族シネマ』☆既読
(19)117回(1997年上半期)/目取真俊『水滴』
(20)119回(1998年上半期)/花村萬月『ゲルマニウムの夜』
(21)119回(1998年上半期)/藤沢周『ブエノスアイレス午前零時』
(22)120回(1998年下半期)/平野啓一郎『日蝕』☆既読
(23)122回(1999年下半期)/玄月『蔭の棲みか』
(24)122回(1999年下半期)/藤野千夜『夏の約束』☆既読
(25)123回(2000年上半期)/町田康『きれぎれ』☆既読
(26)123回(2000年上半期)/松浦寿輝『花腐し』
(27)124回(2000年下半期)/青来有一『聖水』
(28)124回(2000年下半期)/堀江敏幸『熊の敷石』
(29)125回(2001年上半期)/玄侑宗久『中陰の花』
(30)126回(2001年下半期)/長嶋有『猛スピードで母は』☆既読
(31)127回(2002年上半期)/吉田修一『パーク・ライフ』
(32)128回(2002年下半期)/大道珠貴『しょっぱいドライブ』
(33)129回(2003年上半期)/吉村萬壱『ハリガネムシ』
(34)130回(2003年下半期)/金原ひとみ『蛇にピアス』☆既読
(35)130回(2003年下半期)/綿矢りさ『蹴りたい背中』☆既読
(36)131回(2004年上半期)/モブノリオ『介護入門』
(37)132回(2004年下半期)/阿部和重『グランド・フィナーレ』☆既読
(38)133回(2005年上半期)/中村文則『土の中の子供』☆既読
(39)134回(2005年下半期)/絲山秋子『沖で待つ』☆既読
(40)135回(2006年上半期)/伊藤たかみ『八月の路上に捨てる』☆既読
(41)136回(2006年下半期)/青山七恵『ひとり日和』☆既読
(42)137回(2007年上半期)/諏訪哲史『アサッテの人』☆既読
(43)138回(2007年下半期)/川上未映子『乳と卵』☆既読
(44)139回(2008年上半期)/楊逸『時が滲む朝』
(45)140回(2008年下半期)/津村記久子『ポトスライムの舟』☆既読
(46)141回(2009年上半期)/磯崎憲一郎『終の住処』
(47)143回(2010年上半期)/赤染晶子『乙女の密告』☆既読
(48)144回(2010年下半期)/朝吹真理子『きことわ』☆既読
(49)144回(2010年下半期)/西村賢太『苦役列車』☆既読
(50)146回(2011年下半期)/円城塔『道化師の蝶』
(51)146回(2011年下半期)/田中慎弥『共喰い』☆既読
(52)147回(2012年上半期)/鹿島田真希『冥土めぐり』☆既読
(53)148回(2012年下半期)/黒田夏子『abさんご』☆既読
(54)149回(2013年上半期)/藤野可織『爪と目』☆既読
(55)150回(2013年下半期)/小山田浩子『穴』☆既読
(56)151回(2014年上半期)/柴崎友香『春の庭』☆既読
(57)152回(2014年下半期)/小野正嗣『九年前の祈り』☆既読
(58)153回(2015年上半期)/羽田圭介『スクラップ・アンド・ビルド』☆既読
(59)153回(2015年上半期)/又吉直樹『火花』☆既読
(60)154回(2015年下半期)/滝口悠生『死んでいない者』☆既読
(61)154回(2015年下半期)/本谷有希子『異類婚姻譚』☆既読 ★感想記事あり
(62)155回(2016年上半期)/村田沙耶香『コンビニ人間』☆既読
(63)156回(2016年下半期)/山下澄人『しんせかい』
(64)157回(2017年上半期)/沼田真佑『影裏』☆既読
(65)158回(2017年下半期)/若竹千佐子『おらおらでひとりいぐも』☆既読 ★感想記事あり
(66)158回(2017年下半期)/石井遊佳『百年泥』☆既読
(67)159回(2018年上半期)/高橋弘希『送り火』☆既読
(68)160回(2018年下半期)/上田岳弘『ニムロッド』
(69)160回(2018年下半期)/町屋良平『1R1分34秒』☆既読

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