【和歌山】男一人で白浜を貧乏旅行した。~後編~ 白浜水族館・とれとれ市場など

 ※この記事は後編です。↓前編

●早朝の白浜はさらに美しい。

 暗いうちに目を覚ます。白良浜から朝陽を眺めようと思ったからだ。
 海から昇る朝陽を見たかったのだが、方角的に逆だった。(昨日、海に沈む夕陽を見たのだから分かりそうなものだが、僕は頭が悪かった。)
しかしそれでも、早朝の白浜は想像以上に美しかった。

 まず、ホモ・サピエンスがそれほどいない。
 それだけで静かだ。
 波の音だけがあたりに響く。

改めて眺めてみると、
確かに白良浜のビーチは雪原のように白かった。
サンダルのまま波打ちぎわを歩く。
白人のオバさんが朝から元気に泳いでいた。
写真に撮ったら、すごくいい感じになった。

 早朝の散歩に満足し、宿に戻る。
 食堂では朝食が用意されていた。一般的な日本食だった。
 例のフロントのバアさんが、つやつや光る炊き立ての白米のおかわりを何度も薦めてくれた。
 朝食後、準備を整えチェックアウト。

昼間の円月島。
2日目も快晴!


 2日目の予定は、白浜の観光スポットを可能な限り回って、終電を逃さずにちゃんと帰宅すること。以上。これだけ。
 前日の夜に適当に考えた適当なルートで下記のスポットを巡った。

●無脊椎動物が主役! 京都大学白浜水族館

 京都大学臨海実験所の付属施設で、白浜近海でとれた海洋生物のみを展示し、中でも無脊椎動物を主として飼育しているというマニアックな水族館。

 無脊椎動物とは、背骨のない動物のことです。現在、海では約25万種の動物が見つかっていますが、なんとその9割が無脊椎動物です。

パンフレットより


 この水族館の素晴らしいところは、上記のような平易な文で書かれた解説が非常に豊富な点だ。さすが大学の付属機関だけのことはある。
 通常の水族館ならば、展示解説はパネル1枚であったり、最悪の場合は解説がないことさえある。解説文自体も、文字が小さかったり文章が難解であったりする。
 しかし、この水族館では、研究者自身の手によると思われる平易な解説文を記した小冊子(A4用紙をラミネートしたものを数枚リングでまとめたもの)が各展示生物の前に置かれている。それぞれの生物の研究者以外では知らないであろう専門的知識が、小さな子どもでも手にとって読みやすいよう小冊子というかたちで、しかも分かりやすい平易な文章でときには図解も交えて解説されている。
 展示生物を見る楽しみだけでなく、この学研的な解説文を読んで海の生きもの(しかもマニアックな無脊椎動物たち!)の知識を得られるという楽しみもある。
 著作権等の関係でここには載せられない気がするので、もし訪れる機会があったら展示生物だけでなく解説にもじっくり目を通したらいっそう楽しめるかと思う。

タコやカニならまだしも、
ウニやヒトデやサンゴやイソギンチャクなどの展示も豊富。
実にマニアック!
なんにでも専門家というものはいるものだ。
一応は脊椎動物(魚)の展示もある。
ただし、この水槽にしても主役はサンゴの方だ。


 また、僕が訪れたときは、ちょうど特別展示をやっていた。
 ヤドカリに「ガラスの家」を背負わせるという企画のようだった。普通ヤドカリは巻貝などの中に「住んで」いるのだが、下記のように、有名建築物のガラスでできたミニチュアに住まわせたらきれいじゃね? ということらしい。確かに、きれいだった。


●新鮮な海鮮物が食べ放題! とれとれ市場

 白浜水族館に予想以上に長居して、午前中がそれで終わった。
 腹が減った僕は、そうだ、魚を食おう、と水族館の魚を眺めながら思った。

 やってきたのは、新鮮な白浜の水産物が食べられるという「とれとれ市場」。
 ちょうど昼どきだったので、非常に混んでいた。活気があった。商売人たちが盛んに声を張り上げていた。それに煽られて、中国や韓国の団体旅行者が爆買いして爆食いしていた。手には袋を何個も提げて、食堂で僕のとなりに座った一団のテーブルの上は酒池肉林といった様子だった(いや、「酒池魚林」か)。
 もし貧乏旅行でなければ、僕も美味しそうな海産物をたんまりと購入していたことだろう。いま思い出してもよだれが出てくるので、次回白浜を訪れた際には、ここだけで最低2万円以上は食いまくってやりたいと考えている。

高級食材から珍味まで、何でも揃っていた。
(上)オーダーを取ってから海産物を焼き始めるコーナー。
(下)マグロの解体ショーもやっていた。

 白浜はシラスが名物だということで、シラス丼を食ったのだが、それだけではとても腹が満たされず、精神も満たされず、もう一度列に並んで、シャケの親子丼を追加した。
 もちろん、味は両方とも非常にうまかった。
 シラスの塩味が潮の香りそのものだった。



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●熊野水軍の本拠地! 三段壁

 海水浴と海の幸を食すという今回の旅の主な目的は果たされたので、後は適当に景勝地を巡った。


 三段壁は海上に切り立った崖で、内部には洞窟があり、その入口は海側にある。昔、有名な(?)熊野水軍が秘密の船着き場として利用していたらしい。
 今は地上から地下に降りるエレベーターがあり、それに乗って洞窟内部へ。

(左)崖に穿たれた洞穴に海水が流入し、天然の船着き場になっている。
(右)洞窟の中には、熊野水軍に縁のある神社もあった。
(中央)熊野水軍の武具も飾られていた。


 ところで、三段壁は海に面した断崖絶壁である。その上から身を投げ出せば、簡単に命を落とすことができる。それを危惧してか、「いのちの電話」の看板が設置されていた(下記写真/右)。
 そして、近くの崖上の見晴らしの良い広場には「恋人の聖地」と銘打たれたモニュメントがあった(下記写真/左)。


 この落差よ!
 崖の上から望む景色は、訪れる人によってまったく違って見えるのだろう。
 恋人たちが幸福そうに海を眺めるその崖の上から、孤独な誰かがその身を投げ出したのかもしれない。

●地質マニア必見! 千畳敷


 岩盤が幾重にも重なり、それが侵食され奇妙な地層が露わになったという。まるで別の惑星さえ思わせる景観だった。
 波が激しく打ち寄せていた。何十億年も前から、海と大地はこうして互いにせめぎ合ってきたのだろう。




 バスに乗り電車に乗り大阪に戻る。
 空を見上げても、あの鮮やかな夏の青空は見えなかった。

※数年前の旅の記録です。今年(2020年)の夏ではありませんのでご了承ください。



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