オーブンレンジ買い替えて、クッキー焼いた。【菓子作り】【家電】

オーブンレンジを買い替えた。

 電子レンジが壊れた。独り身の中年男にとっては死活問題だ。数日間は読んで字のごとく「冷や飯」で耐え忍んだが、厳冬の訪れとともに僕の心はポッキリ折れた。
 新しく電子レンジを買うことにした。

 貧困層が家電を購入する機会など滅多にないので、とりあえず昨今の「電子レンジ市場」について調査を開始した。
 商業主義に侵された電子情報通信網は、様々な商品を僕に勧めてくる。多機能高品質の最新機種たち。

 ふむ、なるほど、分からん。

 液晶画面に表示された文字列の大部が意味不明ということは理解したので、こういうとき僕はAmazonで最上位に表示された機種を買うことにしている。冷蔵庫も炊飯器も洗濯機も、たしかそのようにして選んだ。
 僕はネットの民意に絶大な信頼を置いている。これまで裏切られたことはない(過言)。

 僕の購入当時Amazonで検索最上位だった機種がコレだ。

 とにかく面倒だったのでレビュー2、3個読んで速攻ポチった。

 数日後、届いた。

 馬鹿デカかった。
 想像の数倍デカかった。
 明らかに単身世帯向けではなかった。

 あいやー。さすがに容量くらいは慎重に検討すべきやったー。

 と思った。

 が、後の祭。

 気持ちを切り替えることにした。

 電子レンジの単一機能じゃなくて、オーブン機能もありますし!
 天板が2枚あるから、2つ同時になんか焼けますし!

 だが、しかし。

 気持ちは無理やり前向きにできたが、物理現象はどうにもならない。

 以前の電子レンジを置いていたスペースに、新しいオーブンレンジが入らない。
 仕方ないので、レンジ台をさらに買う羽目になった。
 ついでに言えば、高圧電流用の延長コードも購入せねばならなかった。

 あいやー。

とりあえず、クッキー焼いてみた。

 まあ、いろいろあったが、新しいオーブンレンジが我が家にやってきた。

 以前の電子レンジにもオーブン機能はあったが、ターンテーブル方式(?)で本格的なオーブン調理向けではなかったらしい(知らんけど)。
 まあ、とにかく、料理番組とかでよく見る、「黒い天板が付属しているオーブン」を、今回、人生で初めて買ったので、電子レンジ機能はおいといて、兎にも角にもオーブン機能を使ってみようと思った。(どちらにしろレンジ機能は日常において多用するので。)

 さて、料理初心者の中年男がオーブンを使って何を作るべきか。

 またもや電網で調査した。
 オーブンに突っ込むまでがクソ面倒そうな料理ばかりが表示された。
 手順が面倒そうなだけでなく、新たな調理器具を購入しなければならないものも多い。

 チッ……。
 舌打ちしてしまった。

 適当にブラウジングする中で、「オーブンの特性を知るためにクッキーを焼いてみましょう」という趣旨の文章に行き当たった。

 最近のオーブンは「焼きムラ(よく焼けるところと焼けにくいところ)」が発生することはほとんどないが、メーカーや機種によっては、焼きムラがまだまだあるそうだ。
 その個所を確かめるため、天板に満遍なく生地を並べクッキーを焼いてみるのが最善との由。

 ふむ、なるほど、分かる。
 分かるぞ!

 手作りクッキーを食べたいと、僕もね、ちょうどね、そう思ってたんですよ。
 ナイスな提案ですね。
 そうそう。
 誰がなんと言おうと、僕は手作りクッキーが食べたい。
 食べたいったら、食べたい。

 さらに電網を駆使し、クッキーに使用する材料を調べた。
 インターネッツは僕になんでも教えてくれる。

 とりあえず、「無塩バター」がないことは確実だったので、買いに出かけた。

 スーパーに向かう途中、はて、購入する必要があるのは本当に「無塩バター」だけでよかっただろうかと、不安になってきた。
 よくよく考えてみれば、「ベーキングパウダー」とか書いていた気がする。
 オーブンを用いた手作り菓子を調べる中で、いろいろなレシピに目を通し、「ベーキングパウダー」という単語を頻繁に目にしていた。
 天火で焼き上げる菓子には「ベーキングパウダー」は必要不可欠な材料ではないのか?
 そんな気がした。

 いや、でも、家を出る直前に見たクッキーのレシピには確かに書いてなかった気もする。

 スマホを持って家を出なかったことを激しく後悔した。
 短期記憶もままならない、現代サルの脳を呪った。
 電子機器への依存に最適化した、現代サルの脳を呪った。

 迷いの中、売り場の前に来た。
 なんか、「クッキーミックス」とかいう粉が売られていた。
 パッケージの裏面には、他の材料や作り方が記されていた。

 うおおおおおッ!!!
 僕は歓喜した。

 これ買っときゃ、間違いないやん。

 これで、不要な材料を買って損をすることも、必要な材料が足りなくて二度手間になることも、もうない。
 現代社会はどこまでも馬鹿な消費者に優しく設計されている。
 素晴らしき哉。

 家に帰って、さっそく、パッケージの裏に記された作り方に忠実に従い、クッキーを作り始めた。


 ……いや、たしか「バターを練って」とか面倒そうな手順があったので、無視して、普通にレンジ機能を使って「溶かしバター」にした。

 それ以降は、レシピに忠実に、材料を混ぜて、丸めて、寝かして、延ばして……

 あ、延ばし棒(?)がなかったので、サランラップを箱から取り出して棒代わりに用いた。

 あ、それと、抜き型(?)もなかったので、酒を飲むときのお猪口を使った。
 最初、お猪口で型を抜こうとしたら、思いっきり生地がハマってしまった。お猪口から生地が抜けない。無理やり取り出したら、生地が破けた(右下)。


 抜き型には、小麦粉を付けておかないとだめらしい。これも書かれていたが無視していた。
 レシピ通りにやったら、2個目からはきれいに型抜きができた。


 天板に並べた。
 型抜きしたあとの生地は再度丸めて延ばし……とレシピにはあったが、面倒だったので、そのまま適当な大きさにちぎって一緒に並べた。
 天板2枚分が同時に焼けるというのが売りの機種だったが、今回の分量では、普通に天板1枚にのせることができた。

 オーブンに入れ、スイッチオン。

 規定の時間が過ぎ、終了の電子音が鳴った。

 扉を開け、生地をつんつん触ってみた。
 ふにゃっ、としていた。

 あら?
 生焼けかしら?

 と判断したので、3分延長して焼いた。

 ピーッと音が鳴り、扉を開けて生地のかたさを確かめる。
 まだ指のあとが残るくらいに柔らかい。

 さすがに、これ以上延長するのはマズい気がする。
 さすがに、レシピを無視しすぎているような気がする。

 ふむ、これはアレだ、「カントリーマアム」みたいな柔らか系のクッキーなんだ。
 と、自分を無理やり納得させ、天板をオーブンから出した。


 甘い香りが部屋に充満した。
 幼少期に母親がクッキーを焼いてくれたときの匂いであった。
 もしくは、おいしいケーキが食べたいと飛び込んだパティスリーの匂いであった。

 幸福の香りといってよい。


 なんでも焼きたてがおいしいよね、と思ったので、適当に1枚食べてみた。
 食感はやはり柔らかかったが、バターの風味が舌に広がり鼻腔を満たした。
 うまかった。
 そりゃ、あんだけバター入れてんのにバターの風味がしなかったら詐欺である。一度手作りすると、クッキーにバターがどれほど使われているかがよく分かる。

 そして2枚目を食べたときに、僕は異変を感じた。
 硬いのである。
 あれほど、ふにゃっとしていたクッキーが、すこし硬くなっている。歯ごたえがある。

 僕は、ある種の予感を覚えて3枚目に手をのばした。
 前歯でクッキーをかじる。

 サクッ。

 と、心地よい音がした。

 なんと、「カントリーマアムもどき」だったふにゃふにゃクッキーが、サクッとした普通のクッキーに変化していた。

 初めてクッキーを作る人は覚えておくといいだろう。

 クッキーは、焼いた直後は柔らかいが、粗熱がとれると自然と硬くなる。

 新発見であった。
 大発見であった。

 やはりレシピは正しかったのだ。
 延長時間を3分に留めておいてよかった。あれ以上焼いていたら、焦げていただろう。


 クッキーがおいしく焼けたかに気をとられ忘れていたが、そういや、新しく買ったオーブンの「クセ」を、焼きムラの具合で調べようとしていたのだった。

 ブログのためにスマホで写真を撮っといてよかった。
 上の写真の通り、僕が新しく購入した機種は、どうやら、さほどクセの強くない機種のようだ。平面上で焼きムラは見られない。
 また、たしか、クッキーの表面と底面で、色づきにさほど顕著な違いも見られなかったような記憶があるので、上火と下火にもさほど違いはないと思われる。(いや、そもそも、この機種に上火?と下火?という概念があるのかも分からないのだが。)
 次は、天板を2枚使用した際に、上下の天板で焼きムラができるかを調べたいと思う。

 なお、前のオーブンレンジは、レンジ機能でもオーブン機能でも同じターンテーブル(?)を利用できたが、今回購入したオーブンレンジでは、オーブン機能でしか天板は使えないらしい。
 レンジ機能とオーブン機能の使い分けを誤ると一瞬で壊れるとのことなので、注意したいと思う。
 まあ、オーブン機能なんて時間に余裕のある休日にしか使わない予定だから、大丈夫だろう。問題はない。

 今回、(予期していなかったとはいえ)容量の大きな、オーブン機能の充実した、クセのないオーブンレンジをせっかく購入できたので、是非活用して、今後ともいろいろな料理を作っていきたいと固く心に誓ったのであった(←フラグ)。


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