2024-03-06 / 最終更新日時 : 2024-03-06 tarukichi_62 読書 【読書】『悪童日記(アゴタ・クリストフ著)』を読んだ感想――その美少年像は、女の妄想か歴史の実在か。 ※ネタバレあり! 「その本、おもしろいですよね」。 会社からの帰路、電車の中で急に声をかけられた。 驚いて、読んでいた本から、話しかけてきた見知らぬ人物に視線を移す。 50歳くらいの中年女性だった。 黄昏の帰宅ラッシュの […]
2021-07-02 / 最終更新日時 : 2023-12-18 tarukichi_62 読書 【海外文学】『人形の家』(イプセン著)を読んだ感想。 「人類みな平等」――そのバランスは常に危うい。 (長期企画「世界最高の小説【BEST100】を読破する!!!」第7回) フェミニズムは、被抑圧者による権利回復運動の一変奏でしかない。この小説から読み取るべきは、「女性の […]
2021-07-01 / 最終更新日時 : 2023-12-18 tarukichi_62 読書 【海外文学】『ゴリオ爺さん』(バルザック著)を読んだ感想。 壮大な理想を前にした卑小な人間どもの滑稽さ。 (長期企画「世界最高の小説【BEST100】を読破する!!!」第6回) 「人間喜劇」と呼ばれる作品群の一つであるらしい。 誰にとっての「喜劇」か? それはもちろん我々観客( […]
2021-06-30 / 最終更新日時 : 2023-12-18 tarukichi_62 読書 【海外文学】『白鯨』(メルヴィル著)を読んだ感想。 シロナガスクジラよりこの小説のほうが長い。 (長期企画「世界最高の小説【BEST100】を読破する!!!」第5回) 本書を読み始めたのは、今を遥かに遡ること数ヶ月前――。2015年の夏だ。 夏の太陽の下で読むに相応しい […]
2021-06-29 / 最終更新日時 : 2023-12-18 tarukichi_62 読書 【海外文学】『老人と海』(ヘミングウェイ著)を読んだ感想。 「自分に打ち克つ」という快楽に耽る老人。 (長期企画「世界最高の小説【BEST100】を読破する!!!」第4回) 〈老人〉が闘う相手は何か。それはカジキでも海でも自然でも孤独でも運命でもない。自分自身だ。 この物語の登 […]
2021-06-28 / 最終更新日時 : 2023-12-18 tarukichi_62 読書 【海外文学】『異邦人』(カミュ著)を読んだ感想。 異邦人はそもそも理解されるべき存在か。 (長期企画「世界最高の小説【BEST100】を読破する!!!」第3回) 裏表紙に書かれた「あらすじ」によって読み方を規定されてしまった。引用しよう。 母の死の翌日海水浴に行き、 […]
2021-06-27 / 最終更新日時 : 2023-12-18 tarukichi_62 読書 【海外文学】『1984年』(ジョージ・オーウェル著)を読んだ感想。 どんな権力も「自己愛」だけは収奪できない。 (長期企画「世界最高の小説【BEST100】を読破する!!!」第2回) 人間の支配はどこまで可能か。行動だけでなく、個人の内面まで権力は支配することができるのか。 著者は本作 […]
2021-06-26 / 最終更新日時 : 2023-12-18 tarukichi_62 読書 【海外文学】『ハックルベリー=フィンの冒険』(マーク・トウェーン著)を読んだ感想。 圧倒的自由と開放感。 (長期企画「世界最高の小説【BEST100】を読破する!!!」第1回) 権威から解放される爽快感。 そのエッセンスを徹底的に濃縮した小説。世界中の少年たち(いや老若男女)が魅了されるのも無理はない […]
2020-07-07 / 最終更新日時 : 2023-12-18 tarukichi_62 読書 【小説】『ペスト(カミュ著)』を読んだ感想――僕たちはコロナにどう向き合うべきか。 病魔は無差別に、無作為に、無意味に、標的を選定する。人々はある日突然、職を奪われ、健康を奪われ、家族や友を奪われ、自らの生命を奪われる。 この不条理に力強く抗う人々を群像劇風に描いた本作。 著者はこの「抗う意思」にこ […]
2014-04-03 / 最終更新日時 : 2023-12-18 tarukichi_62 読書 【読書】『ハツカネズミと人間』スタインベック著 僕は、これまでの人生で一度も「友人」という存在を手に入れたことがない。これは断言できる。 その時々で、友人のような存在はいた。しかしそれは、あくまでも「ような存在」だった。彼らとの関係は、集団の中で孤立し、迫害されるこ […]