2021-06-27 / 最終更新日時 : 2023-12-18 tarukichi_62 読書 【海外文学】『1984年』(ジョージ・オーウェル著)を読んだ感想。 どんな権力も「自己愛」だけは収奪できない。 (長期企画「世界最高の小説【BEST100】を読破する!!!」第2回) 人間の支配はどこまで可能か。行動だけでなく、個人の内面まで権力は支配することができるのか。 著者は本作 […]
2021-06-26 / 最終更新日時 : 2023-12-18 tarukichi_62 読書 【海外文学】『ハックルベリー=フィンの冒険』(マーク・トウェーン著)を読んだ感想。 圧倒的自由と開放感。 (長期企画「世界最高の小説【BEST100】を読破する!!!」第1回) 権威から解放される爽快感。 そのエッセンスを徹底的に濃縮した小説。世界中の少年たち(いや老若男女)が魅了されるのも無理はない […]
2020-12-06 / 最終更新日時 : 2023-12-18 tarukichi_62 読書 【読書】『自動起床装置(辺見庸著)』を読んだ感想――合理性の追求により剥奪される人間性。 無意識について我々はそれを制御できない。「私」の支配下にそれはない。 効率性や論理性によっては説明できない事象が「私」の中に、世界の不条理と同じように存在する。 にも関わらず、時々我々はそれを都合のいいように操れると錯 […]
2020-10-06 / 最終更新日時 : 2023-12-18 tarukichi_62 読書 【読書】『異類婚姻譚(本谷有希子著)』を読んだ感想――結婚相手も結局はただの異類。 多分に絵画的な作風だった。 おそらくこれは著者が劇団出身であることと関連が深いのだろう。演劇は、劇中の一場面をまるで絵画のように演出し、観客に鮮烈な印象を与えることによって、主題を語る。 また、当然のことながら、その一 […]
2020-10-03 / 最終更新日時 : 2023-12-18 tarukichi_62 読書 【読書企画】芥川賞受賞作を読破する!(平成篇) ※この記事は企画の進捗状況を記録するページです。 初見の方以外は「前置き」は飛ばして下さい。 (目次の『「芥川賞受賞作(平成以降)を読破する!」企画の進捗状況』をクリック。) (前置き)なぜ芥川賞を読破しようと思った […]
2020-09-29 / 最終更新日時 : 2023-12-18 tarukichi_62 読書 【読書】『生の肯定(町田康著)』を読んだ感想――自意識過剰なオッサンvs放埓なオバハン。 著者の作品の多くは、フィクションとエッセイが混在しているかのような形態をとっている。 小説と思って読んだら実寸大の著者が主人公で出てくるし、随筆と思って読んだら破天荒な虚構世界が展開される。 どちらにしろ面白いことに変 […]
2020-09-27 / 最終更新日時 : 2023-12-18 tarukichi_62 読書 【小説】『私にふさわしいホテル(柚木麻子著)』を読んだ感想――小説家の執念をコミック調に描いた作品。 「著者自身をモデルにした作品だ」。「主人公のセリフはそのまま著者の心の声だ」。 小説家を主人公に据えた以上、読者にそう捉えられる覚悟をもって、著者はこの作品を書いたに違いない。 この1点からだけでも著者の気迫が伝わる。 […]
2020-09-22 / 最終更新日時 : 2023-12-18 tarukichi_62 読書 【読書】『ムーミンを読む(冨原眞弓著)』を読んだ感想――ムーミンシリーズの入門的でオーソドックスな評論。 まずもって、あらすじのまとめ方や原作の引用箇所などが的確だ。 ムーミン童話を最後に読んだのは随分と昔のことなのに、9冊すべての物語を鮮やかに、そして懐かしく思い出すことができた。 実家の屋根裏部屋に他のお気に入りの児童 […]
2020-09-04 / 最終更新日時 : 2023-12-18 tarukichi_62 読書 【小説】『むらさきのスカートの女(今村夏子著)』を読んだ感想――被疎外者の共感の行方。 社会から疎外された孤独な人間は、同類を嗅ぎ分ける能力に長けている。 同類を見つけることで、自己の置かれた状況から生ずる不安や焦燥を和らげようとするからである。 つまはじき者は自分だけではないのだと、胸をなでおろしたいの […]
2020-08-31 / 最終更新日時 : 2023-12-18 tarukichi_62 読書 【小説】『あまからカルテット(柚木麻子著)』を読んだ感想――少女コミックのような女4人の友情物語。 人工甘味料の甘さや着色料の鮮やかな色に誘われて、食べるのをやめられない菓子のような小説。 別に批判ではない。そういう菓子が食べたいときもある。自然派の素朴な菓子や一流パティシエが作る凝った菓子だけじゃ、世界はつまんない […]